八戸市出身のジャズトランペッター類家心平さんの新アルバム「Lady's blues」が発売となり、7月15日、発売記念ライブがライブハウス「ロックス」(八戸市類家堤端)で開かれた。
類家心平さんは現在東京を拠点に音楽活動を展開。前衛的で変化に富んだ演奏スタイルで根強いファンが多く、これまで、音楽家の菊池成孔(なるよし)さんのグループでの演奏活動や、ジャズをテーマとした映画「坂道のアポロン(実写版)」ではディーン・フジオカさん演じる主人公のトランペットの吹き替え、全国各地でのライブ活動など日本を代表するジャズミュージシャンの一人として精力的に活動している。自身のバンドRS5pb(類家心平ファイブピースバンド)では、オリジナルの楽曲を中心に演奏活動を行っている。
近年は地元八戸市の南郷ジャズフェスティバルの常連となっており、今年はデビッド・マシューズさんがリーダーを務めるグループのメンバーとして出演した。
今回発売したアルバムは、自身がリーダーを務めるグループとしては5枚目。メンバーは、ピアノに八戸市出身の中嶋錠二さん、ベースは鉄井孝司さん、ドラムに吉岡大輔さんの4人編成。どのメンバーもRS5pbのメンバーだが、今回は「類家心平クァルテット」として発売。オリジナル曲を演奏するRS5pbに対し、今回は類家さんの選曲による他のアーティストの曲を収録している
レコーディングが行われたのは東京・青山の老舗ライブハウス「BODY & SOUL」。同店が運営するオリジナルレーベルから発売した。昨年9月と12月に同店で行われたライブの模様を高音質なハイレゾ音源で収録し、CDにした。今作には、42歳の若さで亡くなったサクソフォン奏者ローランド・カークさんの楽曲「Lady's blues」や、日本を代表するトランペット奏者日野皓正(てるまさ)さんの「Bluestruck(ブルーストラック)」、フランスのトランペット奏者エリック・トラファズさんの「Betty(ベティ―)」、マイルス・デイビスをはじめ数多くのアーティストがカバーしている「I fall in love to easily」など、類家さんがこれまで出合ってきた楽曲から7曲が収録されている。
通常のレコーディングでは、CDに多くの曲を収録するために1曲5分程度で演奏するが、今回はライブの空気感を楽しんでもらおうと1曲10分前後となっている。演奏スタイルはこれまでの類家さんらしい変化に富んだソロ演奏などが楽しめるほか、他のアーティストの楽曲を演奏した類家さんの新しい側面が見える作品に仕上がっている。
類家さんは「今まではオリジナル楽曲が多かったが、今回のアルバムではジャズのスタンダードやレジェンドの人たちの曲を収録した。今まで私の作品を聴いたことが無かった方にもぜひ聞いていただきたい」と話す。
7月15日にライブハウス「ロックス」で行われたライブでは、類家さんの友人やファンなど約20人が集い、CDの発売を祝っていた。CDは全国流通の予定はなく、インターネット通販や、類家さんのライブ会場、「BODY & SOUL」で取り扱う。