新型コロナウイルス感染拡大の影響で休館となっている八戸市博物館のホームページやツイッターで、疫病や病魔をはらう鬼神「鍾馗(しょうき)」を紹介している。
「鍾馗」は疫病や病魔をはらう鬼神とされ、唐の玄宗皇帝の夢に現れ病魔をはらったという伝説があり、日本では、古くから端午の節句に男の子の健やかな成長を願って五月人形として飾られるなどしている。
鍾馗の墨絵の掛け軸は盛岡藩15代藩主南部利剛(としひさ)の正室・明子が明治時代に描いたとされる。掛け軸は八戸南部家の旧所蔵品。絵の右上には「明治二七年五月五日 明子」と書かれ、印もある。掛け軸はもう一本あり、こちらは文久二年に描かれたものだが、作者は不明。新型コロナウイルスの影響で博物館は休館中だが、「だからこそ自宅で『鍾馗』を見て、収束を願ってほしい」という思いからHPとツイッターでの紹介を決めたという。
同館学芸員の野沢江梨華さんは「新型コロナウイルスの影響で、全国の博物館、美術館が休館しているが、来館できない方々に所蔵資料をお見せしたい、という思いでインターネット上に公開した。ツイッターやホームページに載せている。『鍾馗様』の掛け軸は、いつまでということは決まっていないが、新型コロナウイルスが収束するまでは飾りたい」と話す。