八戸市の寺院「普賢院」(八戸市豊崎)の「かたり部」が読み聞かせ絵本「龍になったおしょうさま」が12月2日から、ユーチューブで配信されている。
普賢院ではこれまでに「普賢院ものがたり」の絵本化を進めてきたが、コロナ禍の影響で製作が足踏み状態となっている。まず読み聞かせ動画として親しんでもらいたいとの思いからユーチューブでの配信に踏み切った。
読み聞かせ絵本は普賢院副住職の品田泰峻(たいしゅん)さんが企画。小松美央さんが文章を担当し、書家でアート作家の在家渓静(けいせい)さんが題字と作画、フリーのナレーター種市佳子(たねいち・けいこ)さんがナレーションを担当する。
プロジェクト名の「かたり部」は、語り部(かたりべ)ではなく、いろんな人との共同作業であることから「かたり部」(かたりぶ)と命名。メンバーは高校の同級生が中心となっている。
普賢院が収蔵している「十和田山神教記」写本の登場人物「南祖坊」は寺にゆかりの人物。物語中に出てくる実在の地名・寺院を通し、地域に馴染み歴史を知ってほしいという思いもある。
動画配信での展開で絵本と動画、それぞれのスタイルで楽しめるようになった。「かたり部」ではこれからも製作を続け第2弾、第3弾も計画中。
かたり部代表の品田さんは「公開した絵本の動画『龍になったおしょうさま』、これまで語り継がれてきたことを、これからも語り継いでいきたいとの思いを種として制作に努めてきた。コロナ禍の状況の中、打ち合わせもままならないときが多かったが、何とか形にでき、思いを乗せたつもり。多くの方に視聴してもらい、故郷に伝わる物語・伝説の面白さ・深みに触れていただければ」と話す。
普賢院ではコロナ禍の中、オンライン法事等の新しい取り組みも積極的に行っている2014(平成26)年からは、「寺子屋ワークショップ」として写経カフェやお寺ヨガなどを開催。地域に根差し人と人との触れ合いを心がけており、今回の絵本動画もその一環という。
昨年、地域の人が寄贈した「お寺イルミネーション」も1月3日まで点灯している。