八戸市出身のジャズピアニスト中嶋錠二さんの自身初となるリーダーアルバム「FIRST TOUCH(ファーストタッチ)」が4月7日、発売される。
中嶋さんは八戸市内の幼稚園に通っていた当時に観たコンサートがきっかけでピアノに出会った。青森県立八戸西高校を卒業するまで、八戸市内でピアノの指導を手掛ける鈴木笑子(えみこ)さんからクラシックピアノのレッスンを受けた。 高校卒業後には尚美音楽大学に進学。ジャズピアニストの坪口昌恭(まさやす)さんのレッスンで初めてジャズを演奏するようになり、卒業後は東京都内を拠点にジャズピアニストとして音楽活動をしている。高校を卒業するまでは、CHAGE and ASKA、Mr.Children、L'Arc~en~Cielなどの楽曲が好きで、ジャズを聴いたことはなかったという。
2012(平成24)年には、同じく八戸市出身のトランペッタ-類家心平さんのグループ「類家心平5ピースバンド」のメンバーとして南郷サマージャズフェスティバルに出演。それ以来、類家さんとの交流を深め、類家さんのグループのメンバーとしてCDやライブに参加するほか、2014(平成26)年には類家さんとのデュオアルバム「N.40°(エヌ・ヨンジュウ)」を発売している。
7日に発売される初めてのリーダーアルバム「FIRST TOUCH」は、メンバーにベース吉田豊さん、ドラムに安藤正則さんを迎えた3人編成。吉田さん、安藤さんとは9年ほど前に知り合い、中嶋さんがリーダーを務めるライブの定番メンバーとして頻繁に演奏をする仲。中嶋さんは二人について「音色に深さや温かさがあり、その中に強さも感じる」と話す。
アルバムにはオリジナル1曲を含む7曲を収録。ジャズピアニストの荒武裕一郎さんが2020年3月に設立した「アウル・ウィング・レコード」から声がかかり、昨年10月に企画が立ち上がった。レコーディングは12月に都内のスタジオで行った。昨年は新型コロナウイルスの影響が音楽関係者にも広がったが、中嶋さんは「ライブができず、空白の一年だったが、その分、アルバムの内容についてゆっくりと考える時間ができた」と振り返る。
アルバムタイトルと同名の曲「First Touch」は、数年前から自身のライブで演奏していたオリジナル曲。クラシックピアノを背景にした中嶋さんの表情豊かな演奏を主軸に、メンバーがそれぞれのソロ演奏を披露するゆったりとした雰囲気の曲になっている。初めての自身のアルバムであることから、この曲をアルバムのタイトル曲にした。
中嶋さんは「昨年は新型コロナウイルスの影響で大変だったが、自身初のリーダーアルバムを発売することになった。今は難しいが、このメンバーで地元八戸で凱旋(がいせん)ライブができたらいいと思っている。ジャズのスタンダードナンバーをはじめ、オリジナルも交えた作品にした。ぜひ聞いてほしい」と話す。
CDは発売元のアウル・ウィング・レコードのサイト、中嶋さんが出演するライブの会場で販売するほか、主要な通販サイトでも取り扱う。2,500円。