八戸市は4月から、多言語翻訳システム「KOTOBAL」を導入した。
外国人住民への窓口サービス向上のため導入した同システムは昨年度から試験的に運用。本年度から正式に運用している。基本的な住民登録や国民健康保険の手続きのほか、税金に関する手続きや子どもの支援に関することなどさまざまな場面で活用されている。
八戸市では、技能実習生受け入れの関係などで外国人住民数が増加。住民の国籍がベトナムや中国、インドネシアやネパールなど多様化している現状を踏まえ、通訳者の確保が難しい言語に対応しようと同システムを導入した経緯がある。
導入したコニカミノルタ製の多言語通訳サービス「KOTOBAL」が、機械通訳=30言語、ビデオ通訳=12言語に対応。英語や中国語など利用者が多い言語はもちろん、ベトナム語やインドネシア語などにも幅広く対応している。
「KOTOBAL」は、自治体や行政向けに開発された多言語通訳サービスで、AIによる機械翻訳と、オペレーターによるビデオ越しの通訳の両方が利用できる。機械翻訳では、タブレットに話し掛けると、翻訳された言語が画面上に映り、市職員と外国人住民がお互いに文字を確認しながらやり取りできる。また、市の手続きなどで、より高度な翻訳が必要となった場合には、専用のオペレーターによるビデオ通話越しの通訳も利用でき、状況に応じたコミュニケーションができる。
八戸市総合政策部市民連携推進課国際交流グループ副参事の冷水歩(あゆみ)さんは「今まで、言語の壁があって相談し難い案件でも、KOTOBALを使って翻訳、通訳しながら相談を受け付けている。気軽に市役所に相談に来ていただければ」、同春日貴子さんは
「KOTOBALは行政用語に強いのが特徴。外国人住民のお世話や支援をしている周りの方も安心して市役所を利用できると思う」と、それぞれ期待を寄せる。