青森県南部地方の夏を彩る八戸三社大祭が7月31日から8月4日まで行われた。
みこし、山車、郷土芸能が練り歩く行列などの恒例行事は3年連続の中止となったが、今年は市民参加型の特別企画を実施するなど、八戸市中心街には3年ぶりに活気が戻った。
例年前夜祭が行われる7月31日は、27組の山車組で組織するはちのへ山車振興会が制作した大型山車1台と虎舞、華屋台などの運行が行われた。祭り本部によるとこの日は約7万人の人出があった。
出発地点の八戸市庁前市民広場では、運行の開始を知らせるのろしが上がると、祭りを待ちわびた市民から拍手が沸き起こった。山車運行には27組の全山車組から募った約500人が参加。祭り期間中に全山車組のメンバーが合同で1台の山車を引くのは史上初めて。
期間中は、全山車組が制作した小型山車の展示やおはやし、郷土芸能の披露、八戸青年会議所主催によるおまつり体験パークなどの市民参加型の催しが市民広場やマチニワで行われた。3日・4日に市庁前市民広場で開かれたおまつり体験パークでは、各山車組が小太鼓のたたき方を伝授するおはやし体験コーナーや出店などがあり、訪れた市民が思い思いに楽しむ姿が見られた。
祭りの中心であるおがみ神社、長者山新羅神社、神明宮の各神社では神事が執り行われた。 新羅神社では2日10時からの神事の後、吹上山車組が制作した小型山車の前でおはやしの奏上、境内では長者山麓八戸虎舞保存会による舞の奉納などが行われた。同神社の柳川浩司宮司は「今年もやむなくみこし渡御式を中止したことは残念。来年こそは新型コロナウイルスが退散し、山車組の皆さんが待ちに待ったお祭りが盛大にできれば」と話す。