地域の漁労用具や用具の保存活動を展示する夏季特別展「ナゲモノ拾いから始まった ハマの民俗と文化財」が現在、八戸市博物館で開かれている。
八戸や周辺地域の漁労用具、浜小屋という文化財をメインに、収集の経緯や今後の課題について考える特別展。
漁労用具の保存活動は八戸市大久喜町内会、同漁業生産部会が中心となり1972(昭和47)年に始まった。保存活動が始まった当時、使わなくなった古い浜の道具は方言で不要品や捨てるものを意味する「ナゲモノ」と呼ばれていた。それらを拾い集め、保存用と活用するものに分別して浜の民俗文化財が現存し、現在では地域の宝となっている。
展示では、煮干し作りに使った後に畑仕事に転用されたざるや麻糸で作られた網など約300点を展示する。漁労用具のほかにも八戸沿岸の地域特性を示す多様な資料と共に、浜の民俗を残すために奔走した人々の姿もパネルで展示している。
同館の山野友海さんは「保存活動が始まってから50年、文化財指定30年の節目を前に、皆さまと一緒に地域に託されたものの未来について考える機会になれば」と話す。
開館時間は9時~17時。入館料は、一般=300円、大学生・高校生=150円、中学生・小学生=50円(八戸市内の小中学生は無料)。期間中の休館日は8月22日。今月28日まで。