ジャズグループ「マンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)」のリーダーとして知られる八戸市在住のジャズピアニスト・作編曲家、デビッド・マシューズさんの81歳の誕生日を祝う演奏会が3月5日、八戸ポータルミュージアムはっち(八戸市三日町)で開かれた。
演奏会は有志が3月4日の誕生日を祝おうと企画。市立桔梗野小学校器楽部が、マシューズさんが2021年に同校に提供した創立70周年記念ソング「ゆめのはな」と「ハッピーバースデー」を、八戸ジャズ楽団が「フライミー・トゥ・ザ・ムーン」をはじめとしたジャズの定番曲や「八戸小唄」のジャズアレンジ版を、マシューズさんのピアノ伴奏と共に演奏した。
同楽団のステージには札幌市を中心に活動するベーシストの柳真也さんがゲスト出演。小学生~高校生のメンバー7人がマシューズさんら演奏家と共にアドリブ演奏を繰り広げると、詰めかけた市民から歓声や拍手が起こった。企画したメンバーからはピアノの鍵盤をかたどったバースデーケーキと花束が贈られ、「マーちゃん」の愛称で親しまれるマシューズさんと親睦を深めた。
マシューズさんは1970(昭和45)年、ジェームス・ブラウンさんに作編曲の才能を見出されプロデビュー。これまで、フランク・シナトラさん、ビリー・ジョエルさん、ポール・マッカートニーさんなどのアレンジャーを担当。国内では、八代亜紀さんとの共演の他、元スピードの島袋寛子さん、松田聖子さんなどのアレンジを手がけている。1976(昭和51)年、ジョージ・ベンソンさんの「グッド・キング・バッド」でグラミー賞を受賞。1984(昭和59)年に結成したMJQや1989(平成元)年に結成した「マンハッタン・ジャズ・オーケストラ(MJO)」は日本国内で人気を集め、「東京JAZZ」「南郷サマージャズフェスティバル」に出演するなど、来日を重ねてきた。2013(平成25)年、ニューヨークから日本に移住。「みろく横丁が気に入った」と言い、約2年前から八戸に居を構えている。
同楽団には「校長先生」として参加し、子どもたちの成長を見守る。指導を担当する藤田直哉さんは「中学生の頃から聞いていたマシューズさんと演奏できる毎日が送れることは夢のよう」と話す。「子どもたちはマシューズさんの陽気なジャズを間近で感じながら成長している」とも。
マシューズさんは演奏会を「子どもたちもプロもたくさん演奏して、私も楽しかった」振り返り、「八戸が大好き。いつまでも八戸に住み続けたい」と笑顔を見せた。