八戸工業大学(八戸市妙)の女性職員を中心に活動する「HIT(ヒット)リケジョLABO(ラボ)」が現在、体験型の公開講座・ワークショップなどを行っている。
理系の学部・大学への進学を目指す女子中高生を増やそうと、工学部生命環境科学コースの鮎川恵理准教授が中心となり2020年から活動を展開している同団体。同大学で理系を担当する女性職員で構成し、現在6人のメンバーが在籍する。
感性デザイン学部の高屋喜久子教授は「AI研究が進む中、理系女子の活躍の場も広がっていくのでは」と話す。同団体では、全国的に理系の学部・大学などに進学する女性の比率が低いことを受け、青森県を含む北東北の理系科目・仕事に興味を持つ女子中高生、理系学部への進学を迷っている生徒の進路選択支援を目的に、理系分野の第一線で活動する女性との交流会・実験教室・出前授業を行う。今年7月から、女子中高生を対象に講演会、実験、実習体験を開くほか、中高教員との交流、アンケート調査などの活動を展開する。
階上中学校(階上町赤保内)では7月12日、水の硬度分析体験から環境分析について学ぶ実験や、ルミノール反応から科学発光の原理・実用化について学ぶ実験を行った。参加した生徒は、身近な現象を題材にした化学反応、データサイエンスに関する実験・実習を通し、科学の面白さを実感し、理系分野への関心を高めたという。
メンバーの工学部生命環境科学コース講師片山裕美さんは「できるかできないかは別として、理科という科目が好きだという人が増えてくれれば」、鮎川准教授は「理系の大学を出た後、どういう就職先があるのか、どういう働き方があるのかを中高生に紹介し、迷っている人の進路選択の幅を広げる一助になれば」と話す。
今後は八戸市内外の小中高生、保護者、教員を対象に講演会、ワークショップ、進路相談を開く予定。申し込み・問い合わせは同団体ウェブサイトで受け付ける。