
「南郷ジャズ2025キックオフイベント」が4月19日、ジャズの館南郷(八戸市南郷)で開かれた。
7月26日にカッコーの森エコーランド(同)で開かれる音楽フェス「第33回南郷サマージャズフェスティバル2025」の見どころを知ってもらおうと、同フェス実行委員会が初めて企画。今年のフェスでトリを務める「熱帯JAZZ楽団」のカルロス菅野さん、ロックバンド「androp」ボーカル・ギターで八戸出身の内澤崇仁さん、同委員会の壬生八十博会長、出演者の調整を担当したアイズの荒谷勝彦社長が登壇し、詰めかけた約50人の音楽ファンを前にトークを繰り広げた。
壬生会長は冒頭、今年のフェスを八戸市と旧南郷村の合併20周年を記念して開くことや、同フェスの35年の歩みを紹介。1990(平成2)年10月、村民総合体育館(現・南郷体育館)で開いた「オータム・ジャズ・イン・南郷」で、早稲田大学と慶応義塾大学のジャズバンドによる「ジャズの早慶戦」を行ったことが同フェスの始まりだという。「南郷は寂しい村だった。早慶戦が成功し、『これだ』と思った。その後、回を重ねる中で有名な皆さんにも出演してもらえるようになった」と振り返った。
「熱帯JAZZ楽団は夏をさらに暑苦しくする」と笑いを誘った菅野さん。楽団の結成30周年と同フェスへの出演が重なったことに触れた。「あっという間の30年だった。かつては夏になると毎週末のようにジャズフェスがあり、全国を巡っていたが、現在は数えるほどしか残っていない。南郷はミュージシャンにとってありがたい存在。出演を熱望していた」と話した。
かつて南郷地区に祖母の家があったという内澤さんは、バイオリン奏者のNAOTOさんがリーダーを務める弦楽グループ「ROCKIN’ QUARTET(ロッキン・カルテット)」のゲストボーカルとして出演する。「普段はJ-ROCKで活動しているが、気持ちはジャズ。カッコーの森エコーランドは、物心がつく前からよく遊んでいた。音楽家として戻ってこられることをうれしく思う」と話した。
この日は内澤さんがandropの楽曲「Toast」をギターで弾き語りする場面や、壬生会長が「(フェス当日は)開演1時間前に南郷特産のブルーベリーを食べておくとアントシアニンによってステージがよく見えるようになるかもしれない」と笑いを誘う一幕もあり、会場は和気あいあいとした空気に包まれた。
荒谷社長は「今年は、皆さんに音楽の可能性や力を感じてもらおうと考え企画した。八戸にゆかりのある出演者、初出演の出演者が、いろいろな思いをもって南郷に集まる。皆さんにも参加してほしい」と呼びかける。
開演時間は15時30分。チケットの価格は、前売り=6,000円、当日=7,000円。高校生以下無料。ローソンチケット、チケットぴあのほか、ショッピングセンターラピア、八戸ポータルミュージアムはっち、TSUTAYA八戸ニュータウン店、デーリー東北チケットセンター、イオンモール下田などで取り扱う。