
人気ゲームソフト「ポケットモンスター」(ポケモン)シリーズのキャラクターをテーマにした工芸作品を紹介する「ポケモン×(かける)工芸展~美とわざの大発見~」が現在、八戸市美術館(八戸市番町)で開かれている。
2023年、国立工芸館(金沢市)での開催を皮切りに全国を巡回する同展。東北・北海道エリアでは初開催。「ピカチュウ」や「ミュウツー」などのキャラクターを題材にした織物や陶芸など90点を展示する。
会場には、人間国宝の金工・桂盛仁さんをはじめ、20人の作家の作品が並ぶ。ポケモンの事業を展開する企業「ポケモン」(東京都港区)が同展のために作家に声をかけ制作した。「ほのお」「みず」など、作中に出てくるキャラクターの属性も参考に完成させた。作家の大半はポケモンシリーズに触れたことがなく、ゲームで遊んだりキャラクターの一覧を眺めたりして、イメージを膨らませたという。
展示作品のうち、ヤシの木のキャラクター「アローラナッシー」をかたどったつぼは、桝本佳子さんが手がけた。つぼの表面から3つの顔を持つアローラナッシーの首や胴体が飛び出したユニークな形に仕上げた。同社の田中雅美さんは「アーティストたちから制作中にさまざまな相談を受けた。一人一人がテーマについて真剣に向き合ってくれていると強く感じた」と振り返る。
併設する売店では、同展のオリジナルグッズを数多く展開。ピカチュウのぬいぐるみや、出展作家の作品をプリントしたTシャツ、トートバッグ、サコッシュ、ポストカードのほか、展示作品と同じ工法で作られたアクセサリーなどが並ぶ。7月20日と8月3日は着物姿のピカチュウが会場を訪れ、来場者との記念撮影に応じる。
田中さんは「ポケモンを知っている人も知らない人も、老若男女問わず楽しんでもらえる企画展になった。夏休みに足を運んでもらえれば」と呼びかける。
開館時間は10時~19時。観覧料は、一般=1,300円、大学生・高校生=800円、小中学生=600円、未就学児無料。土曜・日曜・祝日と8月12日~15日は予約制。会期中の休館日は7月15日、22日。8月31日まで。