八戸の長者山新羅神社(長者1)桜の馬場で8月2日、馬上で先端に網のついたつえを操りボールをゴールに打ちこみ点数を競う加賀美(かがみ)流騎馬打毬(だきゅう)が行われた。
騎馬打毬はポロに似た競技で2メートルほどのまりづえを持った乗り手が紅白に分かれ、まりづえでそれぞれの色の門にそれぞれの色のまりを入れる。競技のルーツはペルシャにあるといわれ、ヨーロッパに広まったのがポロ、日本に渡ったのが打毬になったとされる。
同騎馬打毬は1827年に八戸藩第8代藩主南部信真(のぶまさ)公が奉納したのが始まりで、八戸三社大祭には1833年から参加、1972(昭和47)年には青森県無形民俗文化財にも指定されている。現在、国内では宮内庁、山形市、八戸市にだけ残る。
全国的にも珍しい武技で、八戸三社大祭期間中ということもあり、大勢の観客が訪れ、盛んに歓声を送ったりカメラのシャッターを押したりしていた。
小学校2年から乗馬を始め、今年新人騎士としてデビューした高野隼さん(13)は「少し緊張している。かっこいいのでやってみたかった。騎手を目指している」と話す。同じく小学校低学年から乗馬を始め、今年デビューした板橋誠治君(11)は「少し緊張している。他の人がシュートしやすいように守るなどしたい」と緊張気味に話した。
会場には「南部打毬を支援する会」の工藤義治さんも来場。同会は昨年4月から活動を開始。桜の馬場の整備や情報発信を手掛け、そのための募金活動も行っている。工藤さんは「この競技がすたれないように、もっと馬に接してもらいたい。会場にもぜひ足を運んでほしい」と話す。