八戸地方に春を呼ぶ郷土芸能「八戸えんぶり」が2月17日に始まるのを前に、各えんぶり組の稽古に熱が入っている。
八戸えんぶりはおよそ800年の歴史を持ち、国の重要無形民俗文化財に指定され、「みちのく5大雪まつり」にも数えられる。豊作を祈願する舞で、太夫と呼ばれる舞手が馬の頭を模した烏帽子(えぼし)をかぶり、農作業の動作を表現し頭を大きく振りながら踊る。
今年は34のえんぶり組が参加。各組とも少子高齢化やライフスタイルの変化に伴い、人手不足や練習時間の確保などが課題となっている。
76年の伝統を持つ「内丸えんぶり組」では今年新たに小学生5人、中学生2人、高校生1人が加入し、30人を超える人数となった。筆頭親方の佐々木秀紀さんは「今年は2月1日から練習を始めた。私たちの組は『どうさいえんぶり』で、低い位置からの激しい動きが特徴。組のメンバーには風邪やインフルエンザには十分に気をつけるように、うがい・手洗いは怠りなくと毎日言っている。万全の体調で本番を迎えたい」と話す。
稽古をしていた小学5年生の男子は「今年で6年目。3人で恵比寿舞をやる。まだ少し間違ったりするが、本番までにはきっちりと仕上げたい」、小学4年生の女子は「今年で2年目。松の舞と喜び舞と田植えをやる。まだ間違えるけど、みんな優しく教えてくれる。楽しいのでこれからも続けていきたい」とそれぞれ話す。
八戸えんぶりの開催日は今月17日~20日。期間中は、八戸中心街で奉納摺(ず)り、一斉摺り、御前えんぶり、かがり火えんぶり、お庭えんぶり、えんぶり撮影会などが行われる。