八戸市のデーリー東北メディアホール(八戸市城下1)で3月25日、新聞を用いて新しい場を体験するセミナー「偶然が起こる場の作り方 新聞・本・本屋これからのメディア作りキカクカイギ」が開かれた。
セミナーはデーリー東北読者クラブ「DTくらぶ」の事業の一つとして、現代における新たなメディア構築の試みを目的に、講師に現代美術家で余白デザイナーのニシダタクジさんを迎えて行われた。
イベントでは大学生から50代までの参加者が自己紹介を兼ね、切り取った新聞記事を「何故、この記事に心が動いたか」として、それぞれがプレゼン。何周か後に、それらの記事に自由にストーリーを付けて画用紙に張り込んだ。画用紙に張り込む中で、一つの「物語」にも似た新たな関係性が生まれ、それぞれが自由にコメントを書き込み、それぞれの「まわし読み新聞」が完成。それぞれの作品を前に自由にクロストークを行った。
後半はニシダさんのこれまでの「ツルハシブックス」「暗闇本屋ハックツ」に関してのトークセッションもあり、「これからのメディアとしてのキカクカイギ」が行われた。
活字媒体をハサミで切り取るスクラッピングというアナログな作業から、新しい「場」が発生する瞬間に、参加者は最初は戸惑いながらも楽しむ姿が見られた。
ニシダさんは「今日は新聞6日分から自分が『ビビッ!』ときたものを切り取る『まわし読み新聞』を作ってもらった。皆同じ新聞を読んだが、同じ記事は一つもかぶらなかった。それぞれの感性が良く出たと思う」、参加した東北芸術工科大学1年生の佐藤きみえさんは「春休みなので地元に戻り参加した。『まわし読み新聞』を通じていろいろな人の感性が分かって楽しかった。機会があればまた参加したい」とそれぞれ話す。