
八戸市の蕪島海浜公園(八戸市鮫町)で7月22日、鮫地区に夏の訪れを告げる「第19回 さめ浜まつり」が開かれた。
同イベントは鮫地区の文化や伝統の継承を目的に毎年開催されており、今回で19回目。昨年は台風の影響で中止を余儀なくされたが、今年は天候に恵まれ地元各団体による出店のほか、ステージイベント、パレードなどが行われた。
午後に行われた「合同運行」では、蕪島みこし会による神輿(みこし)や、墓獅子、鮫虎舞などに加え、鮫青年会山車組の山車が蕪島周辺を練り歩いた。昨年中止されたことを受け、鮫青年会山車組の山車は昨年製作した山車を2年越しで披露。地元住民が引き子やお囃子(はやし)として参加し、八戸三社大祭と同じ「やーれやーれ」という威勢の良い掛け声で沿道を盛り上げた。
蕪島みこし会による海上渡御では、蕪嶋神社の野澤俊雄宮司が祝詞を奏上した後、男たちが声を挙げながら神輿を担いで海へ入り、大きな声を上げながら勢いよく神輿を揺らし、地域の安全を願った。
クライマックスでは八戸とゆかりの深いロックバンド「セーリング」がステージに登場し、オリジナル曲やなじみの深い曲などさまざまなジャンルの音楽を披露した。会場では海水浴を楽しむ市民の姿も見られ、八戸の短い夏を満喫している様子だった。
さめ浜まつり実行委員会事務局の島脇一男さんは「去年は台風で中止したが今年は天気が良く恵まれた。鮫町にはいろいろな伝統、芸能、文化がある。特に墓獅子は見る機会が限られている。こういった文化を残していきたいという思いで開催している。人口減少の影響で鮫青年会の山車を引く子どもたちが少なくなってきていると感じているが、若い年代の人たち引き継いで何かの形で続いていけば」と話す。