アムステルダム在住のアーティストによるインプロビゼーション(即興演劇)のワークショップ「八戸 de いんぷろ」が1月12日、演劇空間「スペースベン」(八戸市柏崎1)で開かれた。
主催者で講師の岩岡傑(たかし)さんはアムステルダム在住のパフォーマンスアーティスト・ダンサー・コレオグラファー(振付師)。1997年に渡英しパフォーマンスアートを学び、在学中より自作品を作り始める。同時期にインプロビゼーションに出合い、それ以降インプロビゼーションに多くの時間を費やす。2002年からアムステルダムに移住し振り付け、パフォーマンスリサーチを研究した。
現在もヨーロッパに住み、「切っても切れない」という自らの東洋的な文化背景と、「渡英以来吸収した西洋的な観点」との融合に着目。「人とは何か?との問いに対するアプローチと捉え、日々「実験中」と言う。
岩岡さんは2016年2月、アートイベント「踊りに行くぜセカンド」で初めて八戸に訪れる。八戸に魅了された岩岡さんは、ヨーロッパ在住中も「八戸で何かしたい」との思いが広がり今回のワークショップにつながった。
インプロ実演では、即興で踊る人や脈絡のない台詞を語る人、突如アコーディオンを弾き始める人が登場。「ドレミパイプ」と呼ばれる音階の出るプラスティック管を並べたり、奪い合ったり、カラフルなスカーフが宙を舞ったりなど、筋書きのないパフォーマンスが繰り広げられた。時間が進むにつれ、各動きがそれぞれを刺激し合い、演者も観客もその場に居ることから生じる緊張感が不思議な化学反応を起こしていた。
岩岡さんは「参加した皆さんは、とても良くできる方々だった。これを踏まえてもっといろいろやっていきたい。踊りなのか演劇なのかよく分からないところで、横のつながりを持って、凝り固まった頭をほぐしていきたい」と話す。