八戸地方に春を呼ぶ郷土芸能「八戸えんぶり」が2月17日に始まるのを前に、各えんぶり組の稽古に熱が入っている。
八戸えんぶりはおよそ800年の歴史を持ち、国の重要無形民俗文化財に指定され、「みちのく5大雪まつり」にも数えられる。豊作を祈願する舞で、太夫と呼ばれる舞手が馬の頭を模した烏帽子(えぼし)をかぶり、農作業の動作を表現し頭を大きく振りながら踊る。
今年は34のえんぶり組が参加。各組とも少子高齢化やライフスタイルの変化に伴い、人手不足や練習時間の確保などが課題となっている。
再来年に90周年を迎える内丸えんぶり組では子どもたち約30人が2月1日から本番を前に熱のこもった練習を続ける。同組筆頭親方の天摩譲さんは「内丸えんぶり組は太夫の『摺(す)り』も激しく、子ども達の衣裳も派手目、いかにも街中の組といった感じ。去年は体調不良の子が多かったので、今年は体調管理、安全を念頭において、見にいらっしゃった方や観光客の皆さんにも元気よく、楽しく披露したい」と話す。
練習に参加していた小学校2年生の女の子は「始めて2年目。松の舞、田植え、喜び舞をやる。おばあちゃんに勧められて参加したが、にぎやかで楽しい。大きい声で大きく演技をして、見ている人をにっこり、元気にしたい」、同じく2年生の女の子は「見に行って、楽しそうだったので参加した。楽しいので、これからも続けたい。口上を間違えないように、みんなが笑顔になるように、私も笑顔で頑張る」と話す。
八戸えんぶりの開催日は今月17日~20日。期間中は、八戸中心街で奉納摺(ず)り、一斉摺り、御前えんぶり、かがり火えんぶり、お庭えんぶり、えんぶり撮影会などが行われる。