国の重要無形文化財にも指定されている八戸の民俗芸能「えんぶり」が2月17日から始まるのを前に、八戸藩の殿様が食べた食事を現代風に再現した「殿様えんぶり御前」と「えんぶり姫御前」が市内の飲食店で提供される。八戸商工会議所、はちのへ観光復興委員会、日本料理研究会八戸支部八戸料理人会が企画した。
江戸末期の文献などを参考に八戸藩九代目の藩主・南部信順(のぶゆき)公が「えんぶり」の日に食べたお祝い御膳を現代風にアレンジした同メニュー。ホッキ貝をえんぶりの太夫がかぶる烏帽子(えぼし)に見立てた「烏帽子北寄」、生干しタラと干菜(ほしな)を使った「えんぶり豊年汁」が各店の共通メニュー。その他はヒラメ、カレイ、ニシンなどの旬の食材を使い各店が工夫を凝らす。
文献からメニューを再現した日本料理研究会八戸支部八戸料理人会の宮崎正志会長は「当時の文献には素材は記載されていたが、調理方法やレシピまでは記載されていなかった。当時は冷たい料理も多かったが、現代のお客さまには冷たい料理ばかり出すわけにはいかない。食を通じて八戸の活性化に貢献できれば」と苦労した点などを明かした。
はちのへ観光復興委員会事業企画部会の三浦克之会長は「冷凍技術や輸送技術が発達していなかった江戸時代の人は、逆に言えば旬のものしか食べていなかったということ。「烏帽子北寄」「えんぶり豊年汁」以外は各店によって違うので、いろいろな味を食べ比べてほしい」と話す。
価格は、「殿様えんぶり御前」=3,500円、「えんぶり姫御前」=1,980円。「殿様えんぶり御前」は市内6店、「えんぶり姫御前」は同13店で提供する。提供期間は2月1日~2月28日。提供店は公式サイトなどで確認できる。