白神山地と縄文時代に関係する史料を展示する企画展「白神山地の縄文」が10月10日から、八戸市埋蔵文化財センター「是川縄文館」(八戸市是川)で開かれている。
近年行われた青森県西目屋村の津軽ダム建設に伴う発掘調査の成果を取り上げ、白神山地の東麓にかつて暮らしていた縄文人の文化や社会を紹介することを目的に開催する同展。近年の発掘調査によって、白神山地東縁の山あいに縄文時代の遺構や遺物が多数見つかった。発見された遺構や遺物は縄文時代の草創期から晩期に及ぶもので、縄文人たちが1万年以上の長きにわたって、この地域で活動していたことが分かった。同展ではこの山々に囲まれた地域で縄文人は、どのように暮らしを発展させ、文化を育んできたのか、白神山地の山あいで生きた縄文人の社会や文化を出土品とともに紹介する。
展示では白神山地と縄文、白神の縄文ムラ、白神山地の縄文漆文化、山あいの縄文人のくらし、白神の縄文人の地域交流を紹介。珍しい土器や資料を間近で見ることができ、当時の人の土器作りの技術の高さ、丁寧さが一目で分かる。11月3日には「是川縄文の日」として、館内を無料開放し誰でも自由に観覧することができる。さまざまなイベントを企画し、縄文体験コーナーやクイズに答えて記念品が貰える企画などを用意する。
同館学芸員の佐藤ちひろさんは「『白神山地の縄文』では、1万年の間の流れを感じられる様々な資料を展示している。八戸の縄文時代の遺物のほかに、同じ時期の別の地域の資料もあるので比べて見てほしい。これを機に縄文に触れるきっかけとなってもらえれば」と来館を呼び掛ける。
開館時間は9時~17時。期間中の休館は10月26日、11月4日、9日、16日。観覧料は、一般=250円、高校生・大学生・市内65歳以上=150円、市外小中学生=50円、市内小中学生、未就学児無料。11月23日まで。