国の重要無形文化財に指定され約800年の伝統を誇る郷土芸能の「八戸えんぶり」が2月17日、始まった。
八戸えんぶりは農民が五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する祭事で、おはやしに合わせ烏帽子(えぼし)をかぶった太夫が舞を披露する。太夫が踊ることを「摺(す、ず)り」と言う。「えんぶり」の名前は農具の「えぶり」に由来すると言われる。
八戸えんぶりは毎年2月17日から始まるが、今年は初日の17日が日曜日と重なったこともあり16万7000人の人出を記録。昨年の14万8000人より1万9000人多かった。
中心街で行われた一斉摺りや八戸市庁前広場の御前摺りには市内外からの大勢の観客でにぎわった。
国の登録有形文化財の更上閣では、庭園で鑑賞する「お庭えんぶり」が行われ、満員の観客を楽しませた。お庭えんぶりは、かつて地主や有力商家の土間や座敷で披露されたこともあるということから、お大名気分でえんぶりをゆっくりと鑑賞しようという趣向だ。毎年、観光客からの人気も高く、17日分は発売初日に全ての回が完売した。
市内の各所で各えんぶり組が練り歩く姿が見られ、八戸に春の訪れを感じさせる時期となった。
八戸えんぶりは今月20日まで。問い合わせは八戸観光コンベンション協会(TEL 0178-41-1661)または臨時えんぶり本部(TEL 0178-45-8768)まで。