八戸酒造(八戸市湊町)が取り組む「八戸酒造メンバーシッププログラム」の稲刈りが9月30日、同社が管理する八戸市妙の田んぼで行われた。
地酒「陸奥八仙」「陸奥男山」を製造する同社。プログラムは酒造りの一端を知ってもらおうと、田植え・稲刈りなどの稲作体験、オンラインセミナーなどを行う。今年から事業の名称を「がんじゃ自然酒倶楽部(くらぶ)」から「八戸酒造メンバーシッププログラム」に変更。コロナ禍の影響を受け、田植え・稲刈りは4年ぶりに実施した。
青森県内のほか、宮城県・東京都などから約50人の日本酒ファンが参加し、6月に植えた稲を刈り取った。冒頭、同社の駒井秀介専務は「皆さんの思いがこうして実った。稲刈りを楽しみながら収穫を祝い、この米でできる酒を楽しみにしてほしい」とあいさつ。参加者は同社の社員から鎌の使い方の手ほどきを受け、完成する酒に思いをはせながら手作業で刈り取った。
収穫した約5俵分の米は今後同社の蔵に持ち込み、蔵人が同プログラムオリジナルの日本酒を仕込む。来年3月下旬に完成予定。同プログラムに参加する会員のほか、一般向けにも販売を検討する。
事業を担当する南部杜氏(とうじ)の石橋伸也さんは「4年ぶりに例年通りの人数が参加し、うれしい。田植え・稲刈りに関わった分、思い入れも強いと思う。3月に完成する酒は、気持ちを込めて飲んでもらえたらうれしい」と話す。