八戸市で毎年7月31日~8月4日に行われ、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている「八戸三社大祭」の山車組が参加者を募集している。
八戸三社大祭は八戸市中心部に位置する「おがみ神社」、「長者山新羅神社」、「神明宮」の3つの神社の合同の神事で、27組の山車組がそれぞれの神社行列の附祭として山車を制作し行列に参加する。
このうち、おがみ神社の神社行列に参加する11組の山車組では、参加者を募集するポスターとチラシを合同で制作した。今年で3回目となる。これまで、「練習場所が分からない」「募集しているかどうか分からない」などの声が市民から寄せられたことをきっかけにポスターを製作した。
ポスターにはそれぞれの山車組の練習場所や山車制作場所の地図や問合せ用の電話番号を掲載、初めて参加する人でも分かりやすいように工夫した。
三社大祭の山車組を巡っては、少子化による曳(ひ)き子・お囃子(はやし)の参加者不足、山車製作者の後継者不足が課題となっている。ほとんどの山車組では5月上旬から7月末まで約3カ月間にわたって山車を制作する、これに加えて7月上旬からは子どもや地域の人々を募っておはやし練習を始める。一方で、近年は人材が不足している山車組も多く、参加者募集の呼び掛けに手が回っていないのが現状だった。
この状況に歯止めをかけようと城下附祭組と内丸親睦会の発案で淀山車組と青山会山車組に声を掛け、4組で参加者募集の呼び掛けを始めた。呼び掛かけを見た「おがみ神社」の各山車組からも賛同の声が上がり、全ての山車組が参加することになった。他の山車組と合同で参加者の募集を呼び掛けるのは、当時は異例のことだったという。城下附祭組ではポスターをみて参加した家族が数組あり、ポスター・チラシ製作の効果が出てきている。
八戸山車振興会副会長の宮古角洋(かずひろ)さんは「八戸市内に住んでいる小学生からおじいさんおばあさんまで、皆さんに来ていただきたい。ポスターを制作して3年目になるが、地元の山車小屋の場所が分からなかったという方にも山車小屋の場所を認知していただくことができるようになってきた。今後も継続して受け入れしていきたい」と話す。
ポスターは300部、チラシは1万部制作し、市内の小中高約80校に配布したほか、各山車組のメンバーが市内各所の公共施設や商店などを巡って配布している。