八戸南部氏庭園(八戸市売市4)が11月10日~13日、一般開放された。
八戸市が毎年春と秋に一般開放している同庭園。八戸市文化創造推進課の大西渉さんは「春はサツキ、ツツジの花、秋は紅葉が楽しめる」と話す。
今年は猛暑の影響で紅葉の色づきが遅れたため、例年より一週間遅らせて開放した。期間中、来園者たちは、園内のマツ、ツツジ、樹齢数百年といわれるモミの木などを眺め、写真を撮るなどして散策を楽しんでいた。
同庭園は八戸藩最後の藩主・南部信順(のぶゆき)が薩摩藩島津家から婿養子として迎えられたことをきっかけに馬淵川沿いの物見場を整備し、1847年、藩主の休憩の場として造成された。薩摩藩の庭師が造成したとも伝えられている。水を使わず水辺を表現した「枯れ山水」、不老不死の仙人が住むといわれる「蓬莱(ほうらい)山」に見立てた島が浮かぶ景色などが広がり、幕末と明治の激動の時代を生きた藩主が眺めた景色を現代にとどめている。
大西さんは「来年の春の開園はぜひ来園してほしい」と呼びかける。