彫刻家・花房さくらさんの個展「ふるさと訪ねて三百里」が9月5日、画材店「八戸彩画堂」(八戸市城下1)のギャラリーで始まった。
八戸出身で、現在は淡路島で活動する花房さん。活動拠点から300里(約1200キロ)離れた地元・八戸で自身の作品を知ってもらおうと八戸で初の個展の開催を決め、3年かけて準備を進めてきたという。
「展示のコンセプトは、淡路島から初めて八戸に来た白猫が、八戸で暮らす猫と交流する様子。くすっと笑える説明書きを呼んでもらうことで、作品が完成する」と花房さん。会場の入り口には、肩掛けのバッグを両手で抱えて二本足で立ち、遠くを見つめるような「白猫」を配置。その周辺に、八戸の郷土玩具「八幡馬」にまたがった猫や、国宝「合掌土偶」を模した「合掌猫偶」、陸奥湊地区の鮮魚店で働く女性「いさばのかっちゃ」に扮(ふん)し頬かむりをかぶった猫、複数の猫がスケートを楽しむ様子など、26作品を並べた。
中でも花房さんお気に入りは、雲の上に乗った猫の壁かけ作品群。夏に八戸に吹く冷たい季節風「やませ」を表現した。平等院鳳凰堂(京都府宇治市)の52体からなる国宝「雲中供養菩薩(ぼさつ)像」をオマージュしているといい、風に吹かれて気持ちよさそうな表情を浮かべたり、合掌したりしている猫を表現した。チェーンソーを使って丸太を猫の形に切り出し、油絵の具を使っていぶし銀のような落ち着きのある色に仕上げたという。
花房さんは「猫が好きじゃなくてもきっと楽しめるはず。美術に苦手意識がある人ほど見てもらえたら」と呼びかける。
21日、22日は、花房さんが来場者を猫に見立てて似顔絵を描くイベントを行う。
営業時間は10時30分〜17時。入場無料。月曜・火曜定休(祝休日は営業)。今月27日まで。