飲食店「エピスリー&ワイナリー春日屋」(八戸市柏崎1)が4月1日、国道340号のバス通り沿いにオープンした。
八戸市南郷地区でワイン用ヤマブドウの栽培に取り組む津久井章弘さんが出店した同店。総菜の販売や食事の提供を行うフランス発祥の「エピスリー」の業態で、ブドウの実に付いた酵母で発酵させた「ナチュールワイン」の楽しみ方を紹介する。飲食スペースの面積は約15坪で、席数は12席。
店内では総菜、野菜、ボトルワインの販売、ランチ、ディナー、グラスワインの提供などを行う。厨房の奥にロワール地方産や日本産のナチュールワインがずらりと並ぶワインセラー、バス通り沿いの窓際には自家製のナチュールワインの製造を目指して醸造所も併設する。天井にはワインの瓶を加工した照明が並ぶ。「八戸に移住してから一生懸命飲んだワインの瓶を使った」と津久井さん。
店内に設置したまき窯を使って提供するのは、フランスの伝統料理からヒントを得て考案した「春日屋平焼き」(ホール=2,500円、ハーフ=1,300円)。パン職人だった経験を生かし、フランス西部の「タルトフランベ」、南部の「ペサラディエール」、バスク地方の「コカ」など、フランス各地で親しまれるピザによく似た料理を、八戸産の煮干しや青森県産の野菜、魚を使って提供する。
ランチタイムは「平焼きのランチプレート」(1,600円)、「サンドイッチのランチプレート」(1,300円)を用意。前菜とドリンクが付く。
総菜はワインに合う味に調理。津久井さんのお薦めは八戸の「美穂野のポーク」や岩手県二戸市の「あべどり」など、地域のブランド肉を使ったテリーヌ(800円~850円)。このほか、ラタトゥイユ(400円)、サラダ類、焼き菓子「ガトーナンテ」(ホール=3,900円、カット=660円)などもそろえる。南郷地区の農家が製造したブドウジュース、ニンジンジュースも用意する。
神奈川県横須賀市出身の津久井さん。食品輸入会社に約30年勤める中で、ワインを製造することを夢見ていた。妻・文子さんの生まれ故郷の八戸に移住したのは2023年。今年2月まで、八戸市の地域おこし協力隊として南郷地区内の園地でワイン用ヤマブドウの栽培を目指してきた。苗を植えたのは2024年で、3年目を迎えた今年は50キロ~100キロの収穫を見込む。ワインの製造には醸造免許が必要で、今年取得できれば南郷地区の農家からブドウを仕入れ、初めて醸造に着手する。「ワインを作るには最低でも3トンのブドウが必要。事業が軌道に乗るには最低でも5年はかかる」(津久井さん)という。
「ナチュールワインにはいろいろな搾り方がある。中には枝を付けたまま搾るものも。生産者が少量しか醸造せず、手に入る数も少ない一期一会のワインでもある。次にいつ飲めるのか分からないのも楽しみの一つ」と津久井さん。「良い場所に移住したと感じている。(ブドウの収量が増えたら)ヤマブドウを使ったワインを造り、それに合う食や八戸の楽しみを提案していけたら」と話す。
営業時間は、11時~14時、16時~23時。日曜・月曜定休。