
今年3月に青森県立八戸西高等学校(八戸市尻内)を卒業した十枝内悠翔さんが、この春から東京都内の大学に進学し、ラジオ関係の仕事に就く夢に向かって学びを深めている。
目指すのはミキサー操作や構成作家、ディレクターなどの番組を支える仕事。大学では、音響、編集などの技術や、エンターテインメントビジネス、広報の手法を学ぶ。
ラジオとの出合いは小学生の頃。高校時代は、言葉の表現力を磨こうと文芸部に所属。昨年「第40回全国高等学校文芸コンクール」の短歌の部では「米袋 叩(たた)けば響く 古古古米 相撲部員に不満などなし」が最優秀賞に輝いた。
スマートフォンが普及し、情報収集の手段が多様化する昨今、ラジオは「オールドメディア」と呼ばれるようになった。「聞き逃したら二度と聞けない『一回性』もラジオの魅力」と話す十枝内さんに、ラジオへの道を目指す思いを聞いた。
十枝内さんがラジオを聴き始めたのは小学生の頃。TOKYO FMで2005(平成17)年から続く番組「SCHOOL OF LOCK(スクールオブロック)」に耳を奪われた。「校長」「教頭」役のパーソナリティーが、学校での悩み相談や授業内容を使ったクイズなどを出す参加型の番組。
「同じ世代の中学生・高校生たちが生電話で登場したり、メッセージを送ったりする番組のライブ感が好き」と十枝内さん。自身も電話で生出演したりメッセージを送ったりした。
中学校3年生の時、同番組のディレクターによる学生向けのラジオ番組制作ワークショップに参加。ミキサーの操作や効果音の使い方によって、楽しい雰囲気や重苦しい雰囲気など番組の印象がガラリと変わることを知り、ラジオ番組を支える技術やディレクターの仕事に興味を持った。
ラジオの魅力について十枝内さんは、音だけで遠く離れたリスナー同士の距離を縮められる点を挙げる。ユーチューブやPodcastなど、コンテンツを何度でも再生することができる配信サービスが主流になりつつある中、「聴き逃したら二度と聞けない『一回性』もラジオの魅力」だという。「毎週同じ時間帯にリスナーがラジオの前で耳を傾けているのを想像すると、同じ空間にいるかのようなアットホームな雰囲気を感じることができる」と話す。
ラジオが「オールドメディア」と呼ばれるようになって久しい。十枝内さんは友人を含めてラジオを聴く若い世代が少ないことや、近年はさまざまなラジオ局が閉局する現状を憂慮する。「若い世代に視覚効果のないラジオの魅力を伝えることは難しい。生放送や収録の様子、スタジオの機材操作など、露出を増やしてSNSで積極的に発信することが必要。SNS戦略についても仕事として取り組んでいけたら」と今後を見据える。