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えんぶりファン「すー」さん、おいらせ町で田植え体験 舞いの原点に触れ感動

田植え機に乗るすーさん

田植え機に乗るすーさん

 郷土芸能や盆踊りの魅力を独自の視点で発信するユニット「にゃんとこ」の「すー」さんが5月16日に八戸を訪れ、おいらせ町で田植えを体験した。

えんぶりの語源になったとされる農具「えぶり」

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 大阪出身で東京在住のすーさん。「にゃんとこ」は2013(平成25)年、郷土芸能を題材にした粘土作品の制作や秋田万歳の披露を手がける斎藤ぽんさんと結成。青森の冬を代表する祭り「八戸えんぶり」には毎年足を運び、複数のえんぶり組と交流を深めている。

 すーさんはこの日、えんぶりの元になったとされる田植えの現場を体験しようと、おいらせ町を訪問。夜行バスで八戸駅に到着し、八戸の知人が運転する車で現地に向かった。田植えが行われたのは持ち主が先祖代々受け継いできた土地。長年放置されていたため草木が生い茂っていたが、再生を目指して数年ぶりに水を張ったという。

 すーさんは、30~80代の約10人に加わって作業を手伝い、休憩時間に地元の人の手製の赤飯やおでんなどを食べて談笑した。「えんぶり」の語源になったとされる農具「えぶり」を使って作業が行われる様子も見学。「田植えの動作が舞につながっていることが実際によく分かった。生活や信仰の土台にある営みに触れたことで、この芸能をより深く知ることができたと思い感動した」と話す。

 すーさんは「八戸(圏域)はひっくるめて人が良い。東北の中でも大阪に近い空気感。ほかの地域の人をすぐに受け入れて、話しかけるといろいろなことを教えてくれる」と話す。田代えんぶり組、細越えんぶり組、百石えんぶり組など複数の組と交流を重ね、千葉や岩手の知人と発行する郷土芸能応援誌「じぶんち」では百石組の活動をまとめたリポートを掲載した。

 初めて「八戸えんぶり」を訪れたのは2023年。期間中最大規模の行事「一斉摺(ず)り」で中居林えんぶり組の舞を見て「興奮と感動で胸がいっぱいになって、見事にハマった」という。

 2025年には細越えんぶり組の「藤九郎」役の人に路上で「ファンです」と伝え、驚かれた。同年2月2日、わっせ交流センター(階上町平内)で行われた「早生えんぶり祭り」を見るため、雪が積もる道を最寄りのバス停から約1時間かけて徒歩で会場に向かい、出演した田代えんぶり組の土橋美加佐さんにそのことを伝えると「大笑いされ、知り合うことができた」(すーさん)という。その後、八戸ではレンタカーで移動するようになった。

 今年2月は「南部地方えんぶり」「百石えんぶり」「八戸えんぶり」に合わせて合計11日間の休暇を取得。同時期に八戸ブックセンター(八戸市六日町)で、「にゃんとこ」の粘土作品や冊子を販売する企画を行ったほか、田代えんぶり組が出演する郷土芸能イベントを「6かく珈琲(コーヒー)」(小中野)で開き、東京からも来場者があった。5月2日には長者山新羅神社(長者1)で開かれたえんぶり関連のトークイベントに出演し、3日には福田厳島神社(南部町福田)の例祭で福田上えんぶり組の奉納を見学した。

 えんぶりをきっかけに八戸への来訪を重ねるすーさん。「えんぶりは世代の幅が広い。幼稚園児から90代までが一つの芸能に取り組む地域はほかにない。これは、地域の皆さんがもっと誇りに思うべき」と話す。

 次回、八戸を訪れるのは8月。青森の夏を代表する祭りの一つ「八戸三社大祭」を観覧するために休暇を取得したという。八戸三社大祭は「好きになるのが怖くて見に来ようと思っていなかった」と笑うが、えんぶりに取り組む市民と触れ合いを重ねる中で「地元の人が三社大祭に熱狂的になっていることを知った。今年は『とうとう行くしかない』と思い、覚悟を決めた」と話す。

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