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トルコ出身のカーンさん、八戸・陸奥湊でホステル開業準備進める 来春に向け

カーンさんと大矢さん

カーンさんと大矢さん

 トルコ出身のカーン・ディッリオールさんが現在、来年春に陸奥湊駅前地区での開業を予定するホステル「KAMARI(かまり) Hostel & Tours」(八戸市湊町)の開業準備を進めている。

階上町田代地区の農家では南部の昔話を聞いた(写真提供=From One’s Heart)

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 5月8日、東京から八戸に移住したカーンさん。同施設の開業を目指す「From One’s Heart」(東京都立川市)は、コワーキングスペース「エスタシオン」内に開業準備室を設置。カーンさんはここで「KAMARI」の運営体制や体験コンテンツの検討を進めている。同施設統括プロジェクトマネジャーで八戸出身の大矢雄一郎さんは「カーンさんには『自分の宿』と思ってもらい、仲間たちと良いチームを作ってもらえたら」と期待を寄せる。

 鮮魚店が軒を連ねる陸奥湊駅前地区を「旅の発着点」に位置付け、八戸圏域・岩手県北をメインエリアとした宿泊・観光体験を提供する予定の同施設。個室や半個室など43室を備え、広い交流スペースも設ける。「泊まる」「楽しむ」「連れて行く」をテーマに、「地域コミュニティーの一員となれるようなサービスの検討を進めている」という。

 日本の縄文文化に興味があったというカーンさん。イスタンブール近郊の大学で日本語や日本史を学んだ。在学中は吉幾三さんのヒット曲「俺(お)ら東京さいぐだ」を日本語に親しむ一環で歌ったことがあるという。卒業後、2018(平成30)年に来日し、東京都内で輸出業を経験。2022年3月からFrom One’s Heartのグループ企業が運営する「ワイルドチェリーブラッサム・ホステル」(東京都小金井市)に転職し、宿泊客の受け入れや国際交流イベントの運営を担当。大矢さんにコミュニケーション能力を評価され、「KAMARI」の開業担当者になる誘いを受けた。

 八戸を初めて訪れたのは2024年8月。八戸三社大祭真っただ中の中心街を訪れ、山車組「下大工町附祭(つけまつり)若者連中」の山車運行に参加。民家や商店で「木遣り音頭」を披露する「門付け」にも同行し、市民と交流を深めた。「(青森市の)ねぶたは知っていたが、三社大祭の規模に驚いた。門付けに参加し、夜は山車を引っ張って、下大工町の皆さんとお酒を飲んだ。祭りに参加するために帰省する人も多く、皆さんが自分のルーツを忘れていないことを深く感じた」と振り返る。

 2025年1月には階上町田代地区で農家に宿泊し、現地の人から旧南部領の昔話を聞き、郷土料理を食べたという。「田代えんぶり組」の活動拠点も訪れ、練習を見学。同町特産の階上早生そばを使ったそば打ちも体験した。

 カーンさんは今後、これまでの経験を元に、大矢さんと共に運営体制や予約サイトの構築、人事に至るまでの準備に取り組む。「八戸の人との触れ合いや海の景色を通じ、東京での暮らしの中で忘れかけていた感覚に気付いた。八戸の郷土食や風土の裏にあるストーリーも紹介したい。地元のコミュニティーと一つになって取り組んでいけたら」と話す。

 大矢さんは「八戸にはまだ『おんでやんせ』(南部弁で「ようこそ」の意)になっていない部分がある。市民が地域の魅力として発信しているものの中にも、地元客でにぎわう飲食店などでは、観光客がハードルの高さを感じてしまう部分がある。(KAMARIで提供するサービスは)そうした点を一つ一つ再編集し、もう一歩踏み込み、本当の意味で入りやすい場所、使いやすい空間を作っていけたら」と力を込める。

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