陸奥湊駅前地区に開業を予定するホステル「KAMARI(かまり) Hostel&Tours」(八戸市湊町)の上棟式が11月6日、行われた。
立川ワシントンホテル(東京都立川市)を運営する企業「From One’s Heart」(同)が来年5月の開業を目指し建設や観光コンテンツの開発を進める同施設。個室や畳敷きの半個室など43室を用意する。鮮魚店が立ち並び「八戸の台所」として知られる同地区を八戸圏域観光の「発着点」に位置付け、「泊まる」「楽しむ」「連れて行く」をキーワードにした宿泊体験や観光コンテンツの提供を目指す。共用ラウンジを設け、英会話や地域の祭りなどを題材にした交流イベントを開くことも想定しているという。
当日は、同社関係者、施工会社、建設作業員など約20人が出席。建設が進む施設の四隅にお神酒を注ぐ「四方固め」ではFrom One’s Heartの高島堯社長が同地区の地酒「陸奥八仙」で場を清め、「先ほどは雨だったが、晴れ間が見えてきて幸先が良い。この場所に向かう途中に虹も見え、応援されているような気持ちになった」とあいさつした。
上棟式後の餅まきでは同地区のひまわり保育園の年長児8人が駆け付け、高島社長ら関係者がまく餅をわれ先にとキャッチ。関係者に笑顔が広がった。
名称の「かまり」は南部弁で「におい」「香り」の意。八戸では「なんだか焼き魚よったかまりっこしてきたじゃ(何やら焼き魚のような香りがしてきた)」や「ちゃいやいや、いいかまりっこがしてらなす(おや、いい香りが漂っていますね)」など日常的に使われる。同地区の鮮魚店の女性「いさばのかっちゃ」の人情味ある接客や、水産業と共に発展した歴史を持つ八戸港、八戸の地酒などの魅力を「かまり」に見立て、八戸や周辺地域の魅力を感じてもらおうと名付けたという。
From One’s Heartがコワーキングスペース「エスタシオン」(番町)に設置している開業準備室は、10月に新採用スタッフを迎え、地域文化のリサーチやコンテンツの開発に取り組んでいる。同社役員で八戸出身の大矢雄一郎さんは「世界中の皆さんに八戸の新しい顔を発見してもらいたい。朝市、朝風呂、朝食などの陸奥湊の文化をはじめとして『一週間でも滞在したい』と思ってもらえるようなツアーを考えていけたら」と話す。「地元の皆さんにとって身近な施設になり、一緒に八戸の魅力を『かまらせて』(漂わせて)もらえたら」とも。