青森の夏を彩る祭り「八戸三社大祭」の魅力を子どもたちに伝える出前授業が6月17日、八戸市立根岸小学校(八戸市日計5)で開かれた。
例年100万人以上でにぎわう八戸三社大祭は青森県最大規模の祭りの一つとして知られ、市民が毎年作り変える27台の山車が見ものになっている。
当日は八戸市沼館地区で活動する「淀山車組」のメンバー約10人が、同校の4年生約50人を前に、祭りの魅力を伝える講話やおはやし披露を行った。体育館には大太鼓や小太鼓、板状の断熱材で作った巨大なツルの彫刻などが並び、児童は興味深そうに見入っていた。
前半の講話では同山車組責任者の大野素敬さんが「淀山車組は1973(昭和48)年から始まって今年で54年目だが、まだ若い」と切り出し、祭りが発祥から300年以上たつことを紹介。ユネスコ無形文化遺産登録から今年で10周年を迎えることに触れ「ユネスコ登録は、この祭りが神事で、伝統文化を守り続けてきたことが認められたことが大きい」と力を込めた。
大野さんは「三社大祭は山車祭りだが、山車祭りではない」とも話し、山車や伝統芸能などは、みこし渡御の「お供」であることを強調。「(祭り当日は)私も山車を引っ張っているので神楽や虎舞を見たことがないが、祭りを見に来たら『山車だけではないんだな』と思ってもらえたら。神楽にかんでもらえば、頭が良くなるかもしれない」と呼びかけた。長者山新羅神社(長者1)で期間中に開かれる伝統武芸「加賀美流騎馬打毬(だきゅう)」が存続の危機にあることも取り上げた。
後半のおはやし披露では、同山車組メンバーの女性が「学べや遊べや、根岸のわらべ」の木遣(きやり)音頭を歌い、笛や太鼓のおはやしが始まった。児童は新聞紙とガムテープで作ったばちを持参し、床を打って「とんことんこ」のリズムに挑戦。中には力いっぱい打って新聞紙がぼろぼろになる児童もいたが、次第に山車組メンバーと児童のリズムが一つになり、体育館は一足早くお祭りムードに包まれた。
同山車組と同校学区の交流は、今年で23年になるという。山車組のない学区のこどもたちにも祭りに参加してもらい、郷土愛を育もうと、根岸公民館(高州2)を窓口に根岸地域の連合町内会、同山車組が連携して参加者を募ってきた。同校学区のこどもは「ねぎし」の字が入った衣装で祭りに参加し、山車行列の先頭には「淀」のほか「ねぎし」の字が入った2つの町名旗が並ぶ。現在同山車組で活動するメンバーの中には、同校の卒業生もいるという。
大野さんは「(祭りに)『参加したい』という子どももいてうれしかった。伝統ある祭りに一人でも多くの人に来てもらい、楽しんでもらえたら。淀山車組は山車小屋をいつでも開放している。気軽に来て、メンバーに声をかけて」と話す。
同山車組は現在、7月31日の祭り開幕に向け、ショッピングセンター「ピアドゥ」(沼館4)の山車小屋で山車制作を進める。7月1日からは、城北会館(沼館1)でおはやし練習を始める。19時練習開始。