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八戸市で30回目の「南郷サマージャズ」 多彩なステージで観客魅了

「第30回 南郷サマージャズフェスティバル2019」

「第30回 南郷サマージャズフェスティバル2019」

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 野外ジャズフェスティバル「第30回 南郷サマージャズフェスティバル2019」が7月27日、八戸市の「南郷カッコーの森エコーランド」(八戸市南郷)で開かれた。会場には約2000人が来場し、真夏の南郷に響き渡る一流のジャズに酔いしれた。

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 同フェスティバルは旧八戸市と旧南郷村の合併前から続いている恒例行事で、旧南郷村の地域振興を目的に1990(平成2)年にスタート。全盛期は5800人の来場があり、現在でも多くのジャズファンが集う東北地方最大級のジャズフェスティバルとして知られている。

 30回目の節目を迎える今回は、開場30分前に入場できる金属製の出演者サイン入りプレミアムチケットの販売や、来場者全員に30周年のロゴが入ったうちわをプレゼントするなどの記念企画を実施。

 オープニング演奏では、地元南郷地区の中沢中学校ジャズバンド部、西園小学校ジャズバンドのほか、八戸市を中心に若手ミュージシャンの育成を手掛ける八戸ジャズ楽団、南郷文化ホールを拠点に活動するスウィングベリージャズオーケストラなども出演。八戸ジャズ楽団には八戸市出身のトランペット奏者類家心平さんや、世界的アレンジャー・ピアニストのデビッドマシューズさん、スウィングベリージャズオーケストラには青森県を代表するシンガー・ソングライターの桜田マコトさんがサプライズ出演し、30周年のお祝いに華を添えた。

 プロミュージシャンのステージには、熱帯ジャズ楽団などでも活動するトロンボーン奏者の中路英明さんがリーダーを務める小編成ラテンバンド「オバタラ・セグンド」や、津軽弁でジャズを歌ったことで話題となった歌手伊藤君子さんを中心としたグループ、日本を代表するサックス奏者渡辺貞夫さんを中心としたグループなどが出演。伊藤さんのステージでは、伊藤さんが津軽弁でジャズの定番曲を歌うと会場から笑いが起こる場面もあった。

 特別企画として、八戸市に住んだ経験を持つ世界的アレンジャー・ピアニストのデビッドマシューズさんが、同フェス30周年を記念して「デビッドマシューズスーパーセッション」を結成。類家心平さんや、十和田市とゆかりの深いフルート奏者の佐々木優花(ゆうか)さんなど、日本のジャズ界で活躍する6人のミュージシャンと共に、30周年を記念してこの日のためにアレンジした楽曲を披露した。アンコールでは八戸小唄を披露し、類家さんが主旋律を演奏。会場を沸かせた。

 この日の南郷は、午前中は時折小雨が舞うあいにくの天気だったが、昼ごろからは太陽が顔を出し始め、晴天に恵まれた一日となった。来場した聴衆は、南郷特産のそばやブルーベリー、ビールをと共に、一流のジャズに聴き入っていた。

 南郷ジャズフェスティバル実行委員会会長の壬生八十博(やそひろ)さんは「何より、スタッフや来場者のおかげで事故なく終わることができたことに感謝。30回にふさわしい良いジャズフェスにできた」と胸をなで下ろした。

 「先人が工夫しながら継続してきた中でも集客が減るなどしているが、南郷の場合は本当のジャズを届け続けたことが成功につながっているのだと感じている。近年は、西園小学校や中沢中学校のバンドが出演するなど、八戸にジャズの文化が根付いていると感じた。リピーターも多いので、これからも魅力あるジャズフェスにしていきたい」と展望を話す。

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