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八戸の短歌会「草の会」が歌集「昭和の山車」 2005年から毎年発行し15冊目

歌集「昭和の山車」

歌集「昭和の山車」

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 活動開始から間もなく40年を迎える八戸市の短歌会「草の会」が、会員が詠んだ短歌をまとめた歌集「昭和の山車」を制作し、八戸市立図書館(八戸市糠塚)に寄贈した。

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 草の会は八戸市在住の30代~80代の短歌愛好家10人で組織。1982(昭和57)年、八戸市立旭ヶ丘小学校の保護者会のメンバーが同校の校長だった左舘秀之助さんと共に結成した。来年で40年を迎える。左舘さんは教員として活動する傍ら歌人や小説家としての顔を持ち、小説「木石抄」が1960(昭和35)年上期の直木賞に候補入り、1979(昭和54)年には第5回青森県芸術文化報奨に選ばれるなど、文学の分野で活躍した。

 会の活動は、メンバーの子どもたちが小学校を卒業した後も継続。旭ヶ丘小学校の校庭にアカシアによく似た木があったことから、当初「アカシアの会」として活動していたが、2000(平成12)年頃に「草の会」と改称。2017(平成29)年に左舘さんが亡くなった後はメンバーが代表を引き継ぎ、現在は月に1回、南部会館(内丸3)で活動している。世界がコロナ禍に陥った昨年は、ファックスで歌を送り合うなどして活動を継続。現在は感染対策を取りながら南部会館で歌を披露し合っている。

 歌集は2005(平成17)年から毎年制作。今回発行した歌集「昭和の山車」で15冊目。タイトルは、メンバーの一人が詠んだ「小ぶりでも 子らがひしめきうねってた 昭和の山車が今年(いま)蘇る」からとった。昨年「マチニワ」(三日町)で行われた八戸三社大祭の山車展示を見た感想を詠んだもの。中には「浮かばない 短歌がまるで浮かばない 満月まるく 夜明けに浮いて」など、短歌を考える苦悩が垣間見える歌も。左館さんが生前詠んだ歌も掲載し、文学ファンからの閲覧の希望もあるという。

 草の会代表の村田さんは「年齢問わず個性を大事にして活動している。興味があればぜひ参加してほしい」と呼びかける。

 歌集は八戸市立図書館2階郷土資料コーナーで閲覧可能。貸出不可。過去に発行した歌集の一部は1階一般図書で貸出している。会の見学など問い合わせは村田さん(TEL=0178-25-6149)まで。

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