おいらせ百石まつりのおはやし団体「七軒町(しちげんちょう)組附祭(つけまつり)」のメンバーが現在、八戸三社大祭に参加する山車組「下大工町附祭若者連中」の山車制作に参加している。
八戸三社大祭は7月31日、前夜祭で開幕する。下大工町組は約3カ月かけて山車を制作してきた。今年の題材は「義経(ぎけい)天翔記」。牛若丸時代から壇ノ浦の戦い、兄・源頼朝による追討、チンギスハン伝説まで、源義経にまつわる物語を描く。七軒町組のメンバーは、人形の地肌を削る作業や、ポリエチレン樹脂を使ったカラス天狗の羽、松の葉、かすみ雲などの制作作業を担当した。
両団体の交流は2003(平成15)年から続く。大正時代から続く七軒町組は、かつて百石まつりで独自の山車を制作・運行していたが、約50年前に山車制作を取りやめ、現在はおはやしを継承している。百石まつり本番では下大工町組から山車を借りて運行している。両団体は交流を重ねる中で互いの祭りを訪れ、酒を酌み交わしたり、バーベキューを開いたりするなど親睦が深まって行ったという。今年の下大工町組の山車小屋では、「七軒町」と「下大工町」の文字をあしらったTシャツを着たメンバーが制作に汗を流している。
昨年から山車制作に参加する七軒町組の小向香織さんは「制作に携わるようになってから、山車をこれまで以上に大切に扱うようになった。楽しいことだけが祭りではないと気付いた」と話す。装飾に紙を貼る作業や、ポリエチレン樹脂を削る作業を担当。昨年の祭りで山車の仕掛けが大きく開いた瞬間を「沿道から拍手が湧き、大変な思いをしたことを思い出して涙があふれた」と振り返る。
今年から制作に加わった七軒町組の昆博樹さんは、幼い頃、百石まつりの山車制作現場に足を運ぶほど祭りが好きだったという。「天狗の羽をカッターで切り出す細かな作業に驚いた。手を抜けない仕事だと実感した。見るだけだった山車が自分の手で少しずつ形になっていくことに楽しさを感じる」と話す。
下大工町組で制作責任者を務める橋本圭介さんは「私たちが制作した山車を百石まつりで引いてくれていた皆さんが、今は同じ思いで山車制作に関わってくれている。下大工町は八戸三社大祭で最も小さな町内で、七軒町と同じように参加者減少という悩みを抱えている。祭りの垣根を越えて協力し、同じ南部の山車祭りとして手を携えていけたら」と話す。「百石まつりには南部の秋祭りの情緒がある。運行中に山車を止めて木遣(や)り音頭を披露する場面など、八戸三社大祭では薄れつつある文化も残っている。三社大祭の後は百石まつりにも足を運び、昔ながらの空気を感じてもらえたら」とも。
下大工町組の山車は7月31日の前夜祭山車展示(18時~21時)、8月1日の「お通り」(15時~)、2日の夜間運行(18時~)、3日の「お還(かえ)り」(15時~)、4日の後夜祭山車展示(18時~21時)で公開される。