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八戸に「サザンウインド」のナポリタン復活 元常連の男性、味と思い出受け継ぐ

来店を呼びかける白取さん

来店を呼びかける白取さん

 ナポリタンを提供する飲食店「サザンウインド・ノワール」が8月1日、コワーキングスペース「エスタシオン」(八戸市番町)内にオープンした。

復活したナポリタン

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 八戸在住の白取洋平さんが出店。コワーキングスペースと共用する客席は28席。店舗面積は約20坪。かつて八戸市中心街で営業していた飲食店「サザンウインド」のレシピを引き継ぎ、アレンジを加えたメニューも提供する。

 看板メニューはサザンウインドと同じレシピで作るナポリタン(800円)。ゆでて一晩寝かしもちっとした食感にした麺に、甘みの中にわずかに酸味があるというトマトソースを絡める。白取さんは「口の回りにベタッとトマトソースが付く感じを目指している」と話す。アレンジを加えたメニューは、カンボジア産の黒コショウ「カンポットペッパー」で香りを加えた「ナポリタン・ノワール」(1,000円)や、ナポリタンをホワイトソースやチーズで包んで焼き上げた「ナポリタン・ブラン」(1,100円)など。

 サザンウインドは初め、元経営者の男性の父親が「パーラーながさき」の店名で創業した。後に「サザンウインド」となり、ナポリタンとサラダのセットを500円のワンコインで食べられる店として市民の人気を集めた。直近では八戸市十六日町に「ヴィエント」の店名で営業していたが、新型コロナウイルス禍の影響で閉店に追い込まれた。「ヴィエントのナポリタンが好きで、何度も食べていた」と白取さん。移転や店名の変更を経ても、ナポリタンは「変わらない味」として親しまれていたという。

 白取さんは友人に料理を振る舞うことが好きで、ヴィエントの閉業後は、元経営者の男性をホームパーティーに招くようになった。男性は白取さんの「ナポリタンの作り方を教えてほしい」の言葉を快く受け入れ、「門外不出」だったというレシピを白取さんに引き継いだ。白取さんは、友人や男性にナポリタンを提供すると喜ばれ、「このナポリタンを自分だけのものにしたくない」と考えるようになったという。

 白取さんが初めてナポリタンを販売したのは昨年2月。陸奥湊駅前地区の「第2回陸奥湊まつり」に出店した友人に販売してもらった。何度か販売を繰り返す中で元経営者の男性から「サザンウインドのナポリタン」の商品名を使うことを許され、昨年の「八戸七夕まつり」「八戸三社大祭」でも友人の店で販売した。白取さんには次第に「懐かしい」「サザンウインドにはよく行っていた」などの声が届くようになったという。

 昨年10月には「サザンウインド」の店名も引き継いだ。初めて臨時営業許可を取得し、自身の出店ブースとしてナポリタンを販売したのは同月の「はちのへホコテン」だった。しかし「サザンウインド」を名乗ることにためらいがあり、語尾に「ウ」を加えた「サザンウインドウ」の屋号で出店した。「八戸に長年吹いていた『サザンウインド』という風をもう一度通すために、『自分が窓の役になろう』『自分がもう一度、窓を開ける仕事をしよう』と考えた」と話す。

 白取さんは「レシピもある。サザンウインドの名前も使わせてもらえる。趣味や自己満足ではなく本当の意味でこの味を世に出すことを考え始め、さまざまなプランが浮かび、店を出すことを決めた」と話すが、本業と並行して自身の店を構えることに課題が残った。転機は今年春。八戸商工会議所の紹介で「エスタシオン」のカフェスペースが休業していることを知り、知人を店員に迎えて出店が決まったという。

 現在、日中の接客は白取さんの知人が担当。白取さんは本業が終わった後に仕込み作業を行う日々を送る。「出店を長年考えていたわけではない。出店に至るまでは、ほんの1、2年だった。後は頑張るだけ」と白取さん。「パーラーながさき時代から長年親しまれたことを考えれば、サザンウインドのナポリタンは八戸の食文化の一つ。楽しかった思い出までなくなるのは寂しい。皿の上に載っているのは料理だけではなく、楽しかった思い出や仲間との出会いもそう。ナポリタンを通してサザンウインドの思い出が受け継がれれば」と話す。

 営業時間は11時~18時。日曜・月曜定休。

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