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八戸・大正8年創業の「柏木旅館」に演劇ホール 客室をリノベーション

開演前の会場の様子

開演前の会場の様子

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 1919(大正8)年創業の旅館「柏木旅館」(八戸市寺横町)の客室を改修した「柏木旅館小ホール」が完成し、9月8日~10日、八戸で活動する劇団「演劇集団ごめ企画」によるこけら落とし「南部昔コ語り&演劇&群読『三コ(さんこ)』」が開かれた。

記念撮影する演劇集団ごめ企画のメンバー・出演者

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 八戸市中心街に位置し、市民・観光客などに親しまれる老舗旅館。劇団の巡業、プロレス団体の興行などの宿泊に利用され、館内には舞台俳優・スポーツ選手などサイン色紙が並ぶ。若女将(おかみ)柏木七穂さんは高校卒業後に上京し、学生時代に松竹にスカウトされ、映画俳優として活動してきた。現在は家業の同旅館を切り盛りしつつ、同劇団の主要メンバーとしても活動している。

 改修した客室は近年、宿泊客の減少から物置として使用していた。知人からの勧めもあり、柏木さん自身も現役の役者であることから、イベントホールへの改修に踏み切った。昨年秋から片付けに着手。床と壁に杉板を張り、障子などの建具はあえて残し、「歴史と新しいものが調和するホール」に生まれ変わらせた。広さは24畳。今後、設備の充実を進めていくという。

 3日間で4ステージを公演。同劇団のステージのほか、8日・9日は同劇団と関わりが深いという日本舞踊家・泉徳穂さんが「手話を使った日本舞踊」、10日には和太鼓アーティストKANTAさんが和太鼓演奏を披露し、彩りを添えた。

 8日の最初と10日の最後の演目には、八戸工業大学教授だった故・大下由宮子さんが構成した「おしら祭文」が披露された。東北地方に伝わる民間信仰「オシラサマ」の由来を柏木さんが身ぶりを交えて朗読し、会場は熱い拍手に包まれた。

 こけら落としを終えた柏木さんは「どういう感じに出来上がるか、どういう舞台になるかと思っていた。板の間なので高齢の人が心配だったが、大きな問題もなく、来場した人も喜んでくれた。一段落して、取りあえずほっとしている」と話す。

 同劇団代表の柾谷伸夫さんは「街中にこういう、いろいろなことに使えるちょうどいい小ホールができたことがうれしい。良い空間・良い時間を楽しんでもらえたと思う」と笑顔を見せる。

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