黒石津軽家15代当主の津軽承公さんが9月28日、雪害などで荒廃が進む高照神社(弘前市)の現状をコミュニティー放送局BeFM(八戸市番町)の番組「びびすた」内で訴えた。
江戸時代、弘前藩の支藩「黒石藩」を治めた黒石津軽家。津軽さんは現在、高照神社と黒石神社(黒石市)の宮司を務める。今回は、神社仏閣清掃ボランティア団体「Team109(イチ・マル・キュー)」の代表で高照神社運営検討委員でもある横山椎乃さんと共に同局のインタビューに応じ、創建から300年以上がたつ高照神社の現状を訴えた。
弘前城の西方、岩木山の麓に位置する高照神社は江戸時代の1712年、「津軽中興の祖」とされた弘前藩4代藩主の津軽信政を祭るために創建された。2006(平成18)年には本殿、拝殿をはじめとした複数の建物が国の重要文化財に指定された。長年にわたり弘前市高岡地区の住民を中心に運営されてきたが、近年は風雨や豪雪によって境内の建物の劣化や破損が広がっている。住民の高齢化を背景に修繕が難しい状況で、すでに雪害の影響でやむなく解体した施設もあるという。冬季は積雪が1メートル50センチ以上に及ぶことも多く、今後、さらなる破損の拡大が懸念されるという。
番組内で津軽さんは「津軽信政は徳川幕府の中でも優秀で、文武両道にたけていた。津軽地方の新田開発、文化の発展などに取り組み功績が大きい」「神社の運営は宮司だけではできず、地域に根付く氏子の皆さんと協力し、地域と一体になることが大切。高照神社は岩木山の麓で、冬は雪害が常にある。修繕が随時必要」などと話した。
横山さんによると高照神社運営検討委員会は今後、2030年の完了を目標に修繕を進める予定。約5億9,000万円が見込まれる修繕費用のうち4,200万円は神社側が負担する。昨年行ったクラウドファンディングでは、目標額600万円に対し約1,500万円の支援があったが、依然として費用が不足しているという。同委員会では現在、「指定寄付金制度」を使うことを前提に支援者を募る。支援を希望する人には、同委員会が設置した特設ウェブサイトから支援者登録を行ってもらう。11月30日まで。
横山さんの番組への出演は6月、Team109が八戸の総鎮守・長者山新羅神社(八戸市長者1)の境内で清掃奉仕を行ったことがきっかけ。清掃奉仕はこれまで津軽地方の神社仏閣で行い、南部地方での活動は初めてだったという。インタビューの収録は9月19日、高照神社の境内で行われた。横山さんは番組で「八戸の皆さんに喜んでもらえるとは思わなかった。八戸市内からも清掃の相談がいくつか来ている。地域の皆さんが自発的に清掃活動ができるような仕組みづくりにも取り組んでいけたら」と話した。
津軽さんは「神社や郷土に誇りを持てば、人の心は動く。南部地方の皆さんも地域の歴史を誇りに思っていると思う。津軽と南部が、青森県の『お供』として仲良く付き合っていけたら」と話す。
インタビューの模様は9月29日18時10分から、同局の番組「ゆうらじ!Hachinohe」で再放送される。