青森県津軽地方の清掃ボランティア団体「team109(いちまるきゅう)」が6月19日、長者山新羅神社(八戸市長者1)の境内で清掃活動を行った。
青森市で伝統的な霊媒師「イタコ」として活動する横山椎乃さんが代表を務める同団体。旧弘前藩領の巡礼地「津軽三十三観音」に指定される神社仏閣を中心に清掃活動を展開してきた。旧南部領での奉仕活動は初めて。新羅神社が昨年12月8日に最大震度6強を観測した地震で広範囲に被災したことを知り、活動を決めた。
境内には「それだば(熊手が)もげでまる」(「それだと熊手が折れる」の意)をはじめとした津軽弁が飛び交った。青森市を中心に、遠くは五所川原市金木町地区など津軽地方在住の市民15人が、ごつごつとした無数の岩が並ぶ参道「男坂」に積もった枝や葉を熊手で取り除いて汗を流した。清掃後は同神社の神職と集合写真を撮影。同神社はインスタグラムに「長者山の敷地は広く、人手不足で手が回らないが、おかげで見違えるほどきれいになった」と投稿した。
イタコを受け継ぐ家系に生まれ、4代目として活動する横山さん。人生に悩んだ時期に津軽三十三観音の一番札所「久渡(くど)寺」(弘前市)を訪れ、米国から訪れていたインド人男性と交流が生まれ、人を癒やす活動を目指した。2022年、ガイドブック「奇跡に出逢(あ)う 津軽33観音巡り」の刊行のために巡礼地を巡り、荒廃が進む場所の存在や周辺の地域コミュニティーが抱える諸課題に気付いたという。
「自治体に助けを求めても、政教分離の観点から難しい。このことは多くの人が知らない」と横山さん。地域文化の中心として機能してきた神社仏閣が、地域住民の落胆の中で失われることに危機感があるという。清掃活動はその現状を知ってもらい、地域住民が誇りを取り戻すことも狙いの一つ。定期的に行う清掃活動には20~30人が参加。遠くは八戸からの参加もある。湯ノ島神社(青森市)での活動には約80人が集まった。
「地元の人には当たり前の存在でも、外からの視点を持ち、神社仏閣に関わることが大切。八戸の皆さんも活動に参加してもらえたら」と横山さん。同団体副代表で五所川原市在住の鳴海達也さんは「いろいろな人が地域に集まることで、その場でしか味わえない交流が生まれる。地域と人々、文化がつながれば」と話していた。横山さんの友人で八戸在住の女性は「清掃活動は心が整う。八戸でもこういった活動が広がれば」と話す。